トロリーバスは都市交通なのでそれなりに規模のある都市にあるというイメージがある。
今回行ったナルンはかなり山奥にトロリーバスが走っている。
旧ソ連で難易度が高いトロリーバスのひとつだ。
訪問3/27~3/30 , 2023
※個人的にはМИАСС(ロシア),もかなり山奥じゃねと思うが、あちらは国鉄がある
ナルン
人口5万人で、面積は40km^だ。
元は新疆のカシュガルからの交易ルート上にあった小さな村である。
1868年に中央アジアがロシア帝国に加盟するとロシアの 守備隊がここに駐屯し(ナルイン要塞)後にナルイン居留地が出来その時都市の建設が始まったそうだ。
1994 年、ナルインでトロリーバスが開通した。ナルインは、トロリーバスがある世界で最も小さい都市の 1 つです。
※個人的には Нарын はナリンか、ナルィンの表示が近い気がするが日本語ウィキペディアがナルンとなっている
トロリーバス
ソ連の崩壊後、ナルイン市はキルギスタンの地域の中心地の 1 つになりました。1992 年、ナルインは人口 40,000 人、道路が 1 本しかない小さな、行きにくい町でした。それにもかかわらず、キルギス当局はトロリーバスシステムを構築することを決定しました。唯一の路線はムカシュ・イサコフ通りからバスステーションまでのレーニン通りに沿って敷設された。路線の終点には、トロリーバスパークが建設されました(トロリーバスが停車するためのオープンエリアのみ)。トロリーバス路線 は1994 年12 月 30 日 に 開業。
2008年5月に運行が停止したが、2008年9月に再開。
路線図
1本道で西寄りにデポがある。Wiki参照
Oberleitungsbus-Naryn – Нарынский троллейбус — Википедия
デポの位置はここ。航空写真で見ると丸い回転線の踏み跡がある。
運賃
5キルギススム = 7.7円 (1som = 1.54yen)
筆者が行った中では、アブハジアのトロリーバスが一番安いと思っていたがほぼ同レベル。スフミは5ルーブル (当時7.5円ほど)
車両
現役の車両は、
- 1508
- 1532
- 1533
の3台との事。
すべて元ビシュケクのZiU9だ。
2023年1月にビシュケクから1532、1533が転属した。
ZiU9をZiU9で置き換えた。
1508
1508号だけが2013年からいる古参だ。製造は2001年
赤塗装で僕はこれの方が好きだ。
1532
2023年1月にビシュケクから 転属してきたばかりの1532
生産は2003年。
1533
1533号も2023年1月に来た1台。
生産は2003年。
ダイヤ
概ね20分に1本だが 日中は1台が休んで30分に1本になる時がある。
路線は50分ほどで往復できる。ウテシが休むので1時間で1周、3台が同時に出庫するような運用だった。
謎の休み(ウハドノイ)
僕が日曜着、月曜日以降撮影の日程だったが月曜は休みだった。
火曜日は修理だと言っていたが午後から走り出した。運行者の気分で走っているのだろうか…
車庫見学
日曜に偵察しにいったときは、入れないと言ったが、しつこく翌日も(月曜)行ったら見学できた。
車両は全てЗиУ9
右端の1527号は、2022年にビシュケクで撮影していた。残念だがナルンで実走している所は見れなかった。
既に廃車と思われる1517が右奥に居る。青の1531は2023年にビシュケクから来たのだが、何に使うつもりなんだろう。予備か?
ナリン車庫に居た1527号、なんか見覚えあると思ったら去年ビシュケク6号線で撮影してた。まさかこんな所で再開するとはな!
8カ月の間にやつれた… というか錆が
左: 2022年7月24日
右: 2023年3月27日 pic.twitter.com/y9pDH2U11r— 石器時代 (@NsaYamamoto) March 27, 2023
撮影
ナルンの道は1本道で東西方向の主要道路だけだ。そのため乗合白タクが走っており、トロバス撮影ならトロバスに乗らずに白タクで安く移動できる。
東の終点 Mosgovsky
I LOVE ナリン
山
一体なぜこんな山奥にトロリーバスをひいたんだ。ソ連指導者の気分だろうか。1994年に開通なので相当末期のことだ。
州庁舎
アドミニストラツィア ナリンスコイ オブラシチ (ナリン州 の中央庁舎) とトロバス。
この向かいにツェントラルナヤ プロシシ (中央広場) がある (写真右手前の方)。
彫像
中央アジア風な馬に乗ったオッサン。
バスは、Ul Lenina を走る。この彫像は Ul ソヴェツカヤが分岐する所にある。
西の終点。Raimiliziya
岩が迫っていて迫力がある。
俯瞰撮影
トロリーバスなんかを俯瞰撮影してどうするんだと思ったがやってみた。
俯瞰できて、かつ背後にも岩山があるトロリーバスはめったにないと思う。
おそらく旧ソ連で最も訪問しづらいトロリーバス。いつか行ってみたかったが今回叶って満足した。
その他の見どころ?
2016年にできた「中央アジア大学」なるもの。山奥にふさわしくない超ピカピカの建物だ。
元々あるナリン国立大とは別。
車庫近くのカフェに行ったら、超英語が上手いJDくらいの店員がいて僕が日本人だと言ったら、(上の大学に関係あるか不明だが)、JACAFA(日本財団)がどうのこうのと言っていた。ナリンでは何らかの日本の支援事業があるらしい。僕はその時点ではJACAFAというものを知らなかったので要領を得ない回答してしまった。
宿の人からも聞いたがコビッド前は結構日本の支援事業できている人が居たらしい。
行き方
ナリンに行くのは実は難しくない。
ビシュケクの西バスターミナル(ザパートニィアフタヴァグザール)から1本で行ける。公式の切符の運賃は450スムだが、発車直前に運転手に直接500スム金を渡したら乗れた。
帰りは白タクで700スムでビシュケクへ戻った。
キルギスでお勧めの他のトロリーバス
キルギスのトロリーバスは
- ビシュケク
- オシ
- ナリン
の3か所ある。